
「おおー。」実に見事な下り山道。
群馬県にある一宮貫前神社。貫前と書いてぬきさきと読む。軽井沢の近くに日本三代下り宮の一つがあると知り行ってみる事にした。ちなみに他の2つは宮崎県の鵜戸神宮と熊本の草部吉見神社。
関越道下仁田インターを降りて、下仁田街道を15分ほど走った所にある貫前神社。創建は古く、安閑天皇元年(531)。御祭神の一柱は刀剣の神、経津主神。ともう一柱は養蚕の神である姫大神。下仁田街道沿いは古い神社が多数あり、鏑川下流の吉井には奈良時代初期の古碑「多胡碑」、高崎方面には巨大前方後円墳が密集している。群馬県はそう言う意味で意外と面白い所なのだ。

この貫前神社だが、鹿占など特殊神事が多く謎に満ちた神社とも言われている。鹿占とは鹿の肩甲骨を焼いた時にできるひび割れによって吉凶を占う手法であり弥生時代には日本各地で行われていた。御祭神の姫大神は天竺の大王の姫君であったと言う。何かと渡来系の言い伝えが多い上野国。

3代将軍家光により造営された社殿の壮麗な色彩は実に見事。境内の整った植栽と併せて、上野国一宮にふさわしい。