シダのある庭

シダの庭

雨上がりの朝、庭を歩く。ここ軽井沢は浅間山の南斜面に面している為、鬱蒼とした立木の下も木漏れ日が差し込んで陰気な場所が少ない。チラチラと差し込む日差しの下から鮮やかな緑色に輝くのがここに多く自生している苔やシダ類だ。ここ特有の冷涼な気候と高めの湿度が苔やシダの生育に適している。このシダ類だが、一見地味ではあるがなかなかに味わい深い。

新芽はコゴミとも呼ばれるクサソテツやその仲間、幅広葉のコウヤワラビなど大小様々。オニシダは山中の東斜面に群生し、その姿は図鑑で見た恐竜の挿絵を思い起こさせる。

オニシダ群生

これらはシダ植物という独特の分類に属し、花は無く胞子で増えるかなり原始的な植物だ。ワカメなどの水中植物と陸上植物の境目に当たるのが苔類でそこから分岐してシダ類が生まれ約3億年前に大繁殖した。種類はおよそ700種あると言われ詳しい人でもよくわからないものが多いとか。その中でも一つ私のお気に入りのシダがある。「孔雀シダ」その姿は格別に美しい。春の芽吹きは見事な赤い色。夏場は涼しげな緑色から秋になるにつれて徐々に独特なグラデーションに変化する。

孔雀シダ(冷涼な気候を好むらしくこの地に合っている)
 

これも軽井沢の自生種の一つ、園芸種には見られない独特の美しさを持つ。

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