軽井沢の西側、御代田町のほぼ境にある幅広の用水路。軽井沢にしては明るくどこかヨーロッパの様な風景が広がる。冷涼な軽井沢とは言え蒸し暑い日もたまにはある。水路からの風は涼を誘う。いつもはキラキラと輝く水面だが今朝は川霧が立ち込めていた。水辺に群れる鴨。これと言って目的のない日はここが良い。
移住先を探してたまたま訪れた12年前、水路ぞいの小径を歩きながら、ふと「ここから続きの人生を始めたいな」そんな衝動にかられた。温水路を訪れたついでに店に寄ってくれたお客様は当時の私と似たような感想を語られる。
この水路が出来たのは昭和42年。浅間山の水は冷たく稲作には不向きであった。この湧水の水温を上げて稲作の冷害を防ぐために作られたのがこの温水路。水深20センチ幅20メートル、太陽光を浴びゆったりとした流れは農業用水を超えて近隣の住民に癒しを与えてくれる思わぬ効果をもたらした。
用水ぞいの小径をときおり選んだ 夏の盛りの日もそこだけ涼しくって
松任谷由美1979年「悲しいほどお天気」の歌い出し、上水を用水に変えて‥