ベン・シャーン

ベン・シャーン 花のブラシ(1968年)

この画家との出会いは10年ほど前。神保町の美術専門古書店の二階でのことです。狭い階段を上り切った先の部屋。古書の隙間を埋めつくす様に並ぶ瞳を失くした顔、そして不思議な文字。絵の中の人物と私の鼓動がシンクロしたような妙な錯覚に陥る。「誰なのこの画家は」

ベン・シャーン 1898年生まれのユダヤ系リトアニア人。父と共に祖国を逃亡、8才の時にニューヨークへ移住。ブルックリンで石版職人として生計を立てていたシャーンの描く絵は徹底して戦争や貧困、差別や失業などをテーマとした社会派リアリズムの画家である。社会に対する強いメッセージが込められた彼の作品はその生い立ちが影響していると言われる。

古書店での偶然の出会いの後、憑りつかれたようにインターネットの画廊サイトでベン・シャーンを探す日々。4年前、ほど良い作品が見つかったので2枚購入し、お店にも一枚掛けた。折しも世界を巻き込んだ争いが起きている。この絵に記されたどこかの国の文字。言葉の意味を知りたくなる。

ベン・シャーン そして我が瞳は涙の泉(1965年)
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。