戦後未だ物が十分に無かった時代、1950年代にこんな指輪が作られました。千本透かしと呼ばれるこの技法は少しでも材料を節約するために台座を糸鋸で鉄格子の様に細かく切り出す技法が実に巧みで日本人の職人魂を感じます。不釣り合いなほどの大きな石もこの時代の特徴ですが、そこがちょっとだけおもちゃっぽくて意外に良いんですよね。
実は私が初めて買った指輪がこの千本透かし。当時中学生だった私は最新のデザインよりもこのおばあちゃん指輪に魅せられてしまいました。当時400円くらいで買ったかな。今は長女の宝石箱に入っています。
この千本透かしですが、残念ながら宝飾ジュエリーとして評価される事は無く、大半はスクラップにされていつの間にか姿を消してしまいました。今ではほとんど見かけなくなった千本透かしの指輪ですが、この独特の雰囲気が受けていて根強いファンがいるのも事実です。滅多に出ない品ですがたまに出会えた時はなるべく仕入れる様にしております。この他にも昭和のアクセサリーを沢山取り揃えておりますのでご覧になってください。