恐竜の鳴き声

ケーン、ケーンと甲高い声。金属のパイプを通した様な異様な声が芽吹いたばかりの春の林に響く。この季節特有の声、たしか映画「ジェラシックパーク」で聴いたような... 

ほどなくそれが雉の鳴き声だと知る。「雉も鳴かずば撃たれまい」と言うが、鳴く方角を見ると必ずと言って良い程すぐそこにいる。茂みに隠れるでもなくその鮮やかで大きな体を見せつける姿はどことなく恐竜を思わせる。

雉は鶏などと同じように飛ぶのは苦手な鳥だ。体の大きさも鶏と同じくらいで動作もハッキリ言って鈍い。この季節丸々と太った体は熊やキツネなどの格好の餌になりそうだがなぜかそうでもなさそうだ。道で車に轢かれた雉の死体を見た事もない。

案外賢い、のかな? この季節、仲良くつがいで連れ立って歩く姿はなかなか微笑ましい。

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