
お店でアンティークアクセサリーやビーズのバックも扱っているせいでしょうか、仕入れの時などは自然と宝石箱にも目が行く。昭和の宝石箱と言えば必ずと言っていいほどオルゴールが付いている。見た目も美しい。何やらいかにも大切な物が入っていそうだが開けてみると、珊瑚のネックレスや所々にメッキがはげたサファイア風の指輪だったりして、あの頃お小遣いで買えるものと言えば大して価値のないものばかりだったけれど、大切な宝物。

開く度に白鳥の湖がかかる。BGMと言うものが無かった時代、暮らしの中に様々な音があったなあ。豆腐屋のラッパの音や焼き芋の笛、ちり紙交換の拡声器、アップライトピアノが奏でる練習曲やそろばんを弾く音、洗濯機も元気のよい音を立てて回ってた。
オルゴールもその一つ。蓋を開けるとちょっとだけそんな時代を思い出す。