
「おごっそ」とは信州の方言でごちそうを意味する。
昔は法事や祝い事をよく家でやったもので、親戚の家に呼ばれて行って食卓に着く時など父は「今日はずいぶんとおごっそうが並ぶなあ」と言って座布団に座るのが礼儀みたいなもので、仕出弁当やテイクアウトのピザなどに対して言う褒め言葉ではない。あくまでも、家主の手作りの持てなしに対しての最高のねぎらいの言葉だ。

家で振る舞いごとがほとんどない最近はなかなか食卓にごちそうが並ぶ事もなくなったが、春の山菜の時期 毎日の様に食卓におごっそが並ぶ。タラの芽やコゴミ、筍やギョウジャニンニク。天ぷらやおひたし、炊き込みご飯などこの時期だけの旬の味わいは、まさに「おごっそ」にふさわしい。